周年事業は、企業の情報を発信するのに良い機会であることから、広報活動が非常に重要となります。そこで本記事では、周年事業を広報に活用するメリットやデメリット、主な広報施策と企業事例、周年事業の広報を成功させるポイントなどをまとめました。
周年事業における広報活動は、さまざまな方面に対して企業の情報を発信する絶好の機会であるといえます。単に記念の日を祝うだけではなく、自社のこれまでの歩みから現在の姿を振り返りながら、これからどこに向かうのかという将来像について伝えるための重要なタイミングです。自社の理念や感謝の思いなどを広く発信することによって、従業員のモチベーションを向上させるとともに顧客や取引先との関係強化につながることも期待できます。
周年事業を広報に活用することによりさまざまなメリットが挙げられます。主なメリットとしては、下記のようなものが考えられます。
さまざまなメリットが考えられる反面、周年事業を広報に活用する上ではデメリットや注意点も挙げられますので、あらかじめ把握しておくことが大切です。
周年記念サイトや特設ページの作成は、周年事業に関連する情報を集約するプラットフォームとして効果的な施策であるといえます。その内容としては、企業の歴史やトップからのメッセージ、記念イベントに関する情報などが考えられます。このような情報をひとつのサイトにまとめることによって、さまざまなステークホルダーに対するメッセージをわかりやすく発信できます。周年記念サイトや特設ページの事例として、オタフクソースの例を紹介します。同社では、2022年11月26日に創業100周年を迎えるにあたり特設サイトを公開しました。このサイトでは、同社の歩みや創業者の思いの紹介に加え、スタンプラリーやファンミーティングなど記念のイベントなど感謝を伝えるさまざまなコンテンツが提供されています。参照元:オタフクソース公式HP(https://www.otafuku.co.jp/100th/)
周年記念動画は、映像や音声を通じ企業の歴史やビジョンを伝えられる施策です。作成した動画は、Webサイトでの公開や記念式典でオープニングムービーとして使用する、SNSで拡散するといったように、多彩な用途で活用できます。日産自動車では、創立90周年を記念して動画を作成しています。この動画は、同社の90年間の歴史の中で創造してきた革新的な車と、その背景にある技術への情熱が描かれています。単に歴史を振り返るだけではなく、未来を見据えた同社のビジョンを示している内容となっています。参照元:keyMOVIE(https://key-movie.forfreelance.co.jp/blog/youtube/celebration_cool/)
周年事業としてSNSやキャンペーンの活用によって、消費者と直接コミュニケーションをとり、周年の盛り上がりをより広げられます。記念の節目をきっかけとして既存のファンへの感謝を伝えながら、新たな顧客層に対し認知を拡大することが可能となります。ハーゲンダッツジャパンでは、35周年を記念し感謝を伝えるキャンペーンを行いました。その内容は、消費者キャンペーンとしてハーゲンダッツの原材料の供給者に会いに行く、ハーゲンダッツを使用した特別メニューを楽しむといったように、ツアーの参加者しか味わえない体験が盛り込まれています。参照元:JTB(https://www.jtbbwt.com/business/case-study/solution/promotion/detail/id=1663)
周年事業の広報は、計画的に進めていくことが大切です。まずは目的を明らかにすることが必要です。たとえば認知向上や売り上げの拡大、社内エンゲージメントの強化といったように、「何のために周年事業を行うのか」を定義します。続いて、その目的を達成するために誰を対象とするのかを設定します。顧客や取引先、従業員など、対象により響くメッセージが異なります。目的とターゲットを定めたら、周年事業全体のテーマの整理を行います。過去の歴史への感謝や未来に向けた新たなビジョンなど、核となるメッセージを策定します。そして、そのテーマをターゲットに届けるための施策策定に進み、特設サイトや動画などどの手段を用いて広報を行っていくかを検討し、実行するという流れになります。
周年事業の広報施策については,「誰にどのようなメッセージを届けたいのか」というターゲットに合わせて選択することが重要です。たとえば一般消費者に認知を広げたいと考える場合にはSNSでの周知やキャンペーン、社内の帰属意識を高めたいといった場合には社内報や表彰式などを行うといった方法が考えられます。このように、ターゲットのニーズ分析によって、効果的に届けられる媒体や施策を選択することがポイントのひとつとなります。
何かひとつの施策で終わらせるのではなく、複数の広報施策を連動させることによって、周年事業のインパクトを大きくできるため効果的であるといえます。特設サイトを立ち上げるのみではなく、そこで公開した周年記念として作成した動画をSNSで拡散する、プレスリリースを配信してメディアへの露出を狙うといったように、それぞれの施策を掛け合わせると良いでしょう。オンラインとオフラインを組み合わせるなどさまざまな方向からアプローチを行っていくことによって、周年イベントにおける一貫したメッセージをより強く印象付けられます。
周年事業を単なるイベントで終わらせずに、その後も企業の財産として活用できる「資産」を残すという視点を持ちながら進めていくことも大切です。たとえば制作した記念動画を採用活動の会社紹介や営業のブランディングツールとして活用する、社員教育の資料として企業の歴史をまとめた内容を利用するといったこともできます。また、キャンペーンなどを通じて獲得できた新たな顧客との接点も、今後の企業活動を進めていく上での大きな資産になるといえます。
周年事業は企画立案から関係各所の調整、コンテンツ制作まで非常に多くの時間が必要となりますので、早めから準備を始めることが重要です。たとえば社内の歴史を調査してまとめる、映像を作成するなど、ひとつひとつの施策に想定以上の期間を要するケースも多いため、余裕を持ってスケジュールを立てるようにしてください。もし自社のリソースのみで進めるのが難しい場合には、制作会社など業者への依頼も検討してみてください。豊富な経験やノウハウを持った専門家のサポートを得ることで、より効果的な広報の実現に繋げられます。